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心理学からみた時間の使い方
プロフィール Profile
宮崎県生まれ。
大阪市立大学文学研究科後期博士課程修了。
カナダのYork大学視覚研究所博士研究員、山口大学工学部講師、助教授、千葉大学文学部助教授を経て、2013年から現職。
専門は実験心理学。
時間や空間についての感じ方に関わる知覚、認知、感性領域における実験心理学の研究に従事。
「時間学」の展開にも携わる。
[主な著書]
「仕事の量も期日も変えられないけど、『体感時間』は変えられる」(青春出版社)
「『時間の使い方』を科学する」(PHP新書)
「時計の時間、心の時間ー退屈な時間はナゼ長くなるのか?」(教育評論社)
「大人の時間はなぜ短いのか」(集英社新書) など
受講雑感 Reflection
「心理学からみた時間の使い方」
時間学という学問は深い。時計の時間と心的時間の差異はどこからくるのかを心理学の観点から多面的に解説いただいた。心理状態、身体の代謝、体験・記憶など様々な外的・内的要因から時間が形成されている。ならば、その時間の特性を巧みに使って効果的な行動と成果を導き出せそうというものだ。
パーキンソンの法則<第一法則>に、「仕事の量は、与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」と説かれている。締め切りギリギリになり、ミスが多発した経験は誰しも多かれ少なかれ。それを回避するために、優先順位をきめること、早めに動き始めること、小さなゴールを決めていくこと。わかっているけどできないことだが、いまこそ始めるべき課題である。
サーカディアンリズム(慨日周期)と個人の時間特性は、各自が認識しておいた方がよい。生活習慣だけでなく遺伝的背景から、「朝型」、「夜型」があるという研究結果は納得である。個人の時間特性を自他ともに理解した多様な働き方を実践した方がよい。高度情報化社会での仕事には、「速度」と「確度」が求められる。昔ながらの手先の技術鍛錬や精神修養のような思考力養成ではなく、個人の時間特性に応じたワークライフの充実が必要だ。働く側も働かせる側も考えさせられるお話であった。(小西)