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著作権の落とし穴 ~知っておきたい著作権の基本のキ~
プロフィール Profile
京都芸術大学、放送大学非常勤講師
1966年、東京生まれ。
明治大学法学部卒。
同大学院法学部法学研究科公法学修士課程修了(法学修士)。
[所属学会]
著作権法学会、日本知財学会、日本マンガ学会、デジタルアーカイブ学会
[趣味]
写真、美術館巡り、合気道(五段位)
2021年 教育現場向け「著作権ハンドブック」(東京書籍)刊行(共著)
受講雑感 Reflection
「著作権の落とし穴〜知っておきたい著作権の基本のキ〜」
番組セットデザイン、ドラマロケでの映り込み、広告宣伝物のグラフィックデザイン、映像演出などのデザイン・クリエイティブ活動において、意図せずとも類似性や相似性から様々なトラブルに発展するケースがある。今回のセミナーでは、数多くの判例の紹介を通じて、参加者の多くが著作権に関する理解を深めるきっかけになったことと思う。
著作権法の特徴、視点として、①著作物性(どんな表現が保護されるのか)、②無方式主義(創作した時点で権利が発生)、③引用(創作者へのリスペクト)、④著作者人格権(慰謝料請求が可能)、⑤バランス論(著作者と利用者のバランス)、以上の5つの解説をいただいた。
我々は、デザインや制作、コンテンツ開発なども含めたクリエイティブ活動を進めるにあたり、オリジナルを目指すわけだが、唯一無二を立証することは難しい。デジタル社会に生きる我々の情報インプット量は膨大である。そして社会的生活を歩んでいれば、思考や嗜好の共通性も脳裏に根付いてしまう。デザインやアイデアは自ずと似通ってしまうのは必然と言えよう。
それを前提に、著作権の理解を深めることが創作の幅を広げることになり、かつリスク回避にも繋がるということだ。③の先人の創作者へのリスペクトを忘れないでいたい。また⑤のバランス論をうまく取り込めれば、案外プランの振り幅が広くなるのではと思った。(小西)