
一級建築士矩子と考えるイベント設計思考
広場の芝生や駐車場の舗装を
掘り起こしてもいいの?
一級建築士 古川矩子(かなこ)。イベント設計に初チャレンジ中!来年7月に開催される<ワクワクファミリーフェスティバル>の会場は、広くて何もない広場の駐車場。ここに給排水の地中埋設工事をするのだけれど……広場の芝生や駐車場の舗装を掘り起こしていいの?
大丈夫!アスファルトや芝生の掘削は認められています。
会場整備のために必要な作業だからです。

配管は地上に転がした方が撤去する時も楽だと思うけれど、安全性を優先して、やはり地中埋設にします。但し、復旧を考えて埋設は最小限にします。イベント設計は“楽しい”と“安全”に加えて、手間やコスト、周辺への影響を極小に抑えるなど「努力と苦労」の結晶なのです。
- 〇会場全体のレイアウトから給排水を取り回す最短ルートを選定
- 〇給水のポンプアップを最小限にするために敷地高低差を確認
- 〇既存の埋設管を傷つけないように敷地図面チェック
これらを総合的に考えて埋設配管と露出配管を計画する。見ることやること盛りだくさん!
……おっと、忘れちゃいけない。さらに確認が必要な場合もあります。
3000平米以上(註1)の掘削時には、土壌汚染対策法による届出が必要。場所によっては埋蔵文化財の調査のために試掘をすることも!!地中もしっかり確認して、安全・安心にね。
- イベント設計のプロあるある
- 何もない広場の地面を見て「ああ、あの夏のインフラ埋設の跡だな」「丸い形の基礎だったよねー」「この青!塗装の跡が残ってる」と、一般の人には気付かないごくわずかな痕跡を見つけて懐かしむ。
矩子もいつか、イベント設計思考が身につくかな……
経験を積むのが楽しみです!
※註1 状況によって、面積を問わず必要な場合もあります。